今から2000年前となるとそれはA.D.18年となるが、
その時代を支配する最も強大な国はどこかと問うと誰もがローマ帝国と答えるだろう。
この時代はティベリウス皇帝(14年~37年)が支配する時代だ。
まあ細かい話は今作の主人公・ガエンのように傍に置き、
この時代が現代ほどに発展し、魔法が認識されていた時代として話を進める。
まあ簡単に言うと、
スマホや顔認証システム、魔法はあるがVRがない世界と認識すればいい。
この物語は、フィクションであり、
ちょっと歴史と関係あるけどだいたい関係ない(多分)幻想(?)です。
あるかもな的な感じで読み進めてください。
※これは『私と宝の物語』の1話~エピローグ、それに『メッセージ』部分、構想中の3作目をまとめて、さらに肉付けし一話3000文字ほどにしたリビルド作品です。
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前置きはこのくらいにして、ここはどこかというとローマの外れにある魔法学校。
現代で言う中学校に当たるであろう魔法学校の階段の踊り場で、
赤髪の筋肉がついた少年と紺色の髪を持つ小柄な少女が会話していた。
「おいおい、宝島だって!た・か・ら・じ・ま!!」
赤髪の少年――ガエン・ローグ――は
紺色の髪の少女――幼なじみのエリスであるが――に話しかけていた。
「はいはい、うるさいわよ。ガエン。そんなに大声出さなくたっていいじゃん。」
さて、なぜ年頃にもなった男児が
これほどまでに興奮しているのか。厨二病なのか。と言いたくなるが、
そうではない。
ガエンのローグ家にはあのクラウディウス帝の血が入っているらしく、
貴族の中でもそれなりの地位を持っている家系だ。
当然屋敷も持っているわけだが、その蔵で文書が発見された。
その文書には血文字の古代語で、
「誇り高きローグ家のものにこれを託す」
という文字と、地図が書かれていた。
解読したところ、それは宝島の地図であり、
伝説である龍種(竜ならいる)などが生息していると記されていた。
因みに端書として「一番若いものに渡せ」と書かれていたため
ガエンの手にこれがあるのだが…
ガエンは今がなんの時期かわかっているのだろうか。
7月15日。期末テスト2日前である。
「で、こんな時期に面倒事を持ち込まないでよ。せめて夏休みにすればいいじゃん。
じゃ、2時間目、さっさと行こ。」
見事に振られたガエンであった。
そもそもガエンがこんな時期に無謀なことをやろうとしたのに理由など無い。
「ただ、楽しそう」。それだけ。
そりゃあ振られますよ。
と、いうわけでガエンは納得いかない気分の中、テストに臨むのであっった。
次回「旅へ」
この次も、ゆっくりしていってね!
(今回はちょっと分量少なめ)