東方心開記
彼女の名は古明地こいし。
能力は「無意識を操る程度の能力」。
元は覚妖怪。心を読める、はずだった。
全てはあの日から始まった。第三の目を閉ざしたあの日から・・・。
こいしの姉、古明地さとりは、「心を読む程度の能力」
のせいでゲスと言われ嫌われ者になっていた。
こいしは、自分が嫌われたくなく、サードアイを閉ざそうとしたのだ。
だが、覚妖怪にとってサードアイを閉ざすのは
心を閉ざすのと同じ。
その時、こいしは何を思ったのか本人でも思い出せないらしい。
そして、サードアイを閉ざした後はまともな感情は出なくなり、
さとり曰く、たまに見せる涙や笑顔は、とても綺麗だったという。
だが、周りの人妖はどんどん離れていき、
最後には姉一人になったという。
結果的に、姉よりも嫌われ者になってしまったのだ。
だが、姉の行動を観察してみると、
姉の森の一本の木しか見ていないことがわかった。
そして、少し心を開いてみると、面白い巫女と知り合ったり、
おかしな魔法使いや吸血鬼に、
正体不明の宇宙人と友達になったりした。
このことで分かったのは心を開いたほうが嫌われない
ということだ。
友だちになった彼女たちも、心を開いたから友達ができたらしい。
魔法使いは、自分のことを嫌われ者と勘違いし、
友達を引き離していた。
吸血鬼は、自分の能力で何もかも壊してしまうと思ってしまい、
力の制御ができなくなってしまった。
宇宙人は、正体不明というだけで忌み嫌われていた。
だが、彼女たちも心を開き、友達が増えたらしい。
だから、外の世界のあなた達も、自分の心を閉ざさないで。
私は、もう閉ざしてしまったから、開くのに時間がかかるけど、
閉ざさないように注意をして、生きていって欲しい。
長い話を聞いてくれて、ありがとう。
これが、私の幻想。