チョコレートによって世界を統一すべきだ episode “kanaekaia・saga” 1巻

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1章 チョコレート愛好会

白いドレスと「夜空のマント」というレルウ王国の秘宝を纏った少女が、
町のバーでチョコレートを食べ、酒を飲んでいる。
常人が見たら、目を疑うだろう。チョコレートと葡萄酒を混ぜ合わせ、
仲間の女や男と食べているのだから。

彼女はチョコレート愛好会会長、またこの国、「レルウ」の王女である。
その名も『ルルゥ·アルザード』だ。
先日、隣国「リンゴ黒酢」とのチョコレート戦争が勃発し、
両国の関係は格段に悪くなっている。
だが、レルウ王国と同名の首都は、輝きが衰えることなく、むしろ強くなっている。

現代国王「アルザード·アイラブチョコレート」の勇者の資質のためかもしれない。
1年ほど前に、急に覚醒したのだ。

「チョコレート好き同士で争う必要はあるのかしら?」ルルゥが言う。
「まさか俺たちが国から密命を受けるなんてな。驚いたぜ。」魔術師ギルドの次席導師、
ロコラだ。副会長でもある。
「チョコレート好きを集めて一致団結しろ···ですって!ふふ、国王様も面白いことを言うものね。」同じく副会長、ここ、チョコレート歓楽街の元締め的な存在であるララルが笑う。

チョコレート愛好会は今ではもはや国を立ち上げられる程に巨大化しており、
王城の右側にアジトを建てている。
魔術師ギルドからもメンバーは来ており、
遠く離れた「アキゼ」や「帝国ロロロエゼ」が故郷のメンバーも居る。
実際、ララルは大陸の西の果て「ゴオオイル」が故郷だ。
半年の間に、この世界「kanaekaia」のほぼ全体から一人は集めたのはすごいだろう。
まだ、巨大化する必要はある。りんご黒酢との戦争にも勝たなければならないし、
カカオの栽培もやらなければいけない。
さらに、ロロロエゼとの国交回復も望まれる。

国王が謎の命令を下して半年が過ぎた。
騎士団長から近衛騎士に昇格したギルギは今でも戸惑っている。
「どうして姫にそのような依頼を?私でも良いのではないですか?」と聞いたが、
「強くするためだ」以外何も聞いていない。
「アルザード王はおかしいのではないか」という噂も騎士や女官の中に流れ始めている。
さらに、反乱勢力も拡大し始めている。国政に参加している神官は、
平静を呼びかけているが、効果はない。
逆に、王都の方は、狂気につつまれたかのように賑わっている。
この国は混沌の国と言って良いんじゃないかと、なかば本気で思う。
ギルギは、まだ知らないのである。
これから、『kanaekaia・saga』と後に語られる大戦争に巻き込まれていくことを…。

2章 kanaekaia・saga

いつもの様に、ルルゥ達が、飲み屋で葡萄酒を飲んでいる時、異常事態のニュースが飛び込んできた。
なんと、「リカカエイ王国」で終末信仰が始まり、世界が終わるなどという、根も葉もない噂が飛び交い、遂にリカカエイは信じてしまったのだ。りんご黒酢もレルウも戦争どころではなくなり、遠征やなんやらでいつもより王都の灯りが強まっていた。「まあ噂は聞いたけど…。」ルルゥが言う。「そう言えばどっかのエルフが見たとかなんか言って王勢の冒険者が破壊神を目撃したらしいな」魔術師ギルドの情報網は伊達じゃないというロコラの顔にララルが大笑いする。
「破壊神なんて伝承に語られるだけよ。魂も消滅させられて、冥界に逝った…」
「ルルゥ様!!!!!!!」ララルの言葉を遮るように部下が飛び込んでくる。
酒場にいる全員の顔がこちらを向く。
「王都の南から魔物が攻め入っています!前線はスライムやアンデッドの下位の魔物で構成されていますが、後衛に上位の魔物が潜んでいます。8万ほどの大群ですので夜空のマントと魔術で援護と戦の心得が有る方は全軍突撃だそうです」
「なんだと!!」「魔物はオレの獲物だ!」「お前ら、行くぞ!」
酒場の客たちが罵声をあげ、次々に飛び出していく。
店長は前払いを要求しているので、問題は起こらない。
自分たちも愛好会本部で命令を出すため、店を後にし、本部へ向かう。

戦場で軍を指揮するギルギにとって、この戦は重要なものであった。
始めは噂の破壊神とやらがやったのかと思ったが、ゴーレムや異界の住人も混ざっているのに気づき、さらに、りんご黒酢の大魔術師である「死霊の太陽」ゴールと「★召喚の魔神★」キラッが指揮を取っていたのである。
甘味騎士団とチョコ魔法師団を総動員して戦闘をしているが、全く敵が減った様子はない。
「くそったれ!!」思わず悪態をつく。
チョコレート愛好会の援軍と民衆を率いるルルゥ・アルザードが間もなく到着するという情報があるが、それでもレルウ王、魔術師ギルド最高導師不在の隙を突き、攻めてきたのだ。
なので、ギルギとルルゥ、そして、ロコラに全権が委ねられている。

さて、この戦をどうやってレルウは乗り越えるのか!
次回も、ゆっくりしていってね!

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